プログラム自己集積触媒

遷移金属を触媒とする有機分子変換工程は、医薬品や有機材料等の合成において重要な役割を果たしています。しかしながら、これらの工程に用いる遷移金属触媒は得られる生成物に対して%オーダー(生成物に対して100分の1程度)の量がしばしば必要とされます。使用される遷移金属はその毒性から生成物中への混入が問題となること、資源枯渇性があることなどから、その使用量の低減が求められています。

私たちは、ピンサー錯体類や特殊な空間を有する固定化触媒を開発し、これらが高効率(ppmオーダー以下)で各種有機反応を触媒することを見出しました。その触媒回転数は100万回を大幅に超えます。現在も、高効率触媒反応を実現するための知見を積み重ね、真に有用な触媒システムの開発を進めています。

参考文献:
Adv. Synth. Catal.. 2004, 346, 1693-1696,
J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 12273-12281;
Chem. Commun.. 2015, 51, 3886-3888;
Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 127-131

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