研究内容(触媒)

金微粒子によるメタノールの空気酸化

ナノスケールの金微粒子触媒による化学変換は、グリーンケミストリーの観点から工業的にも学術的にも興味深い研究対象です。 金微粒子触媒は春田らの研究によって拓かれ[Haruta, 1987]、現在、様々な有用かつ実用的な触媒が開発されています。

我々は、実験と協力してPVPに担持された金クラスターにおけるメタノールの酸化反応[PCCP 2012]や 金・パラジウム合金クラスターによるカップリング反応[JACS 2012]について研究を行いました。

[JACS2012] 金・パラジウム合金クラスターは、低温の水溶液中でUllmann Coupling反応を触媒します。 この反応は金クラスターや パラジウムクラスターでは進行することはなく、合金クラスターによってはじめて発現する触媒活性です。 酸化的付加におけるクラスターの反応性を検討し、こららのクラスターの触媒活性の違いを明らかにしました。
(分子研・櫻井Gとの共同研究)


金・パラジウム合金クラスターによるカップリング反応


酸化的付加のエネルギーダイアグラム


[PCCP2012] 金クラスターの電子親和力やサイズ依存性やに着目し、酸素とメトキシの共吸着状態から、 ホルムアルデヒド、 ヘミアセタールを経て、ギ酸まで酸化される反応機構を明らかにしました。(分子研・櫻井Gとの共同研究)


金クラスターによるメタノールの空気酸化の触媒サイクル


金クラスターによるメタノールの空気酸化のエネルギーダイアグラム

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