第5回 CIMoSセミナー
人工細胞膜中での脂質およびタンパク質の動的挙動の観察
要旨
細胞膜は細胞内外での物質・情報・エネルギーの輸送が行われる反応場である。これらの反応においては膜内のタンパク質および脂質分子の拡散やドメイン形成が重要な素過程であり、人工脂質二重膜を用いて膜内分子ダイナミクスを調べる研究が盛んに行われている。本講演では、固液界面に形成される人工脂質二重膜である支持脂質二重膜(supported lipid bilayers: SLB) [1,2]を用いた脂質分子の膜内側方拡散および2次元ドメイン形成、また膜上でのペプチドおよびタンパク質の集合体形成に関する我々の研究成果について紹介する。また、デバイス材料上へのバイオインターフェースの構築という観点から、グラフェン酸化物上での脂質膜の挙動について調べた最近の成果についても紹介したい。
参考文献
[1] R. Tero, "Substrate Effects on the Formation Process, Structure and Physicochemical Properties of Supported Lipid Bilayers", Materials, 5, 2658 (2012).
[2] 古川一暁, 並河英紀, 村越敬, 森垣憲一, 手老龍吾, 「支持膜 ~固体表面に支持した脂質二重膜~」, 表面科学, 30, 207 (2009).
日時 | 2013年9月10日(火) 10時~ |
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場所 | 分子科学研究所 研究棟201セミナー室 |
題目 | 人工細胞膜中での脂質およびタンパク質の動的挙動の観察 |
講演者 | 手老 龍吾 助教 (豊橋技術科学大学 エレクトロニクス先端融合研究所) |