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人材育成に対する取り組み

全国規模での人材の流れを積極的に作り出し、分子科学を活性化する

分子科学研究所では、創設時から准教授・助教の内部昇格を認めておらず、また、研究所内で博士号を取得した大学院生を博士研究員や助教に採用することも原則避けています。この一見大変厳しい人事政策は、大学から優秀な人材を広く受け入れ、研究三昧の生活が送れる環境を提供して優れた業績を挙げてもらい、再び大学に戻って大きく研究を展開してもらう、という全国規模での大きな人材の流れを作り出す原動力になっています。実際に創設以来の人事異動状況を見ると、既に500名以上の研究者が分子科学研究所を巣立っています。現在は常勤職員の約70%が40歳以下であり、「常に若い」研究所ということができるでしょう。転出した専任研究教育職員300名余りのうちで、70名近くが教授、90名近くが准教授として着任しています。物理化学の分野においては我が国の大学研究者のほとんどが分子科学研究所と関わりを持っていると言っても過言ではありません。例えば、北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学の理学部で、物理化学に関連する教授38名のうち20名を分子科学研究所出身者が占めています(2010年現在)。このような人事交流によって共同研究の双方向な連携も実現されており、分子科学研究所で行った萌芽的研究が大学で大きく花開くという流れも定着しています。さらに分子科学研究所では、2012年より若手独立フェロー(特任准教授)制度をスタートさせました。これは、博士号取得間もない、もしくは、取得後すぐに海外の博士研究員となった若手研究者に対して独立して研究室を主宰する機会を与えるもので、分子科学研究所では各フェローたちの柔軟な発想と独自性を何よりも尊重しています。
 

優れた研究環境を活用した大学院教育

分子科学研究所は、分子科学分野における大学院教育でも大きな貢献をしてきました。所内の全教授、全准教授、全助教は、全国の大学共同利用機関と緊密に連携・協力している総合研究大学院大学(総研大)の教員を担当しています。総研大2専攻(構造分子科学専攻・機能分子科学専攻)に所属する学生の皆さんは、教員のきめ細やかな指導のもとで、分子科学研究所が所有する世界トップレベルの研究設備を活用して研究を進めることができます。1988年の総研大開学以来、200名以上の総研大生の皆さんが、分子研での研究で博士号を取得しています。その内の150名以上が現在は大学教員として勤務しており、国外の大学を含めて教授26名、准教授は28名に達しています。民間企業にも40名以上が就職しています(2015年度修了生まで)。

分子科学研究所は、総研大における教育に加え、「特別共同利用研究員」として他大学(国外を含む)の大学院生を積極的に受け入れて、充実した環境で研究に専念する機会を提供しています。また、分子研で実施されている多くの共同研究も、大学院生・学部生が最先端の研究設備を利用する契機となっています。海外の若手育成という面では、多数の留学生を受け入れているばかりでなく、アジア・オセアニア地区からの若手研究者を招聘するプログラムや、海外の一流研究機関・大学との大学院生インターンシップ制度を立ち上げ、国際的な若手人材交流の拡大に努めています。

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