実験装置




主要なレーザーと光学系

近接場測定の励起光源としては,いくつかのCW(連続発振)光源も用いますが,時間分解測定にはフェムト秒パルス光源を用います。写真は用いているフェムト秒チタンサファイアレーザー(Spectra-Physics MaiTai)です。

チタンサファイアレーザーの技術は成熟しており,このMaiTaiもコンピュータ制御で安定した近赤外領域のフェムト秒パルスを発振します(写真は制御用コンピュータの画面)。波長はコンピュータから好みの数字(780-920nmの範囲)を入力すれば,すぐにその波長が出力するようになっています。

ファイバープローブの先端で超高速時間分解測定を行うために,プローブに光を入射する前に必要な光学系を通します。レーザーを出た光はまずビームスプリッターでほぼ同強度の2つのビームに分け,二手に別れたパルスの間に時間差を付けた後,また同軸の一つのビームに戻します(マイケルソン干渉計と同じ構造)。また,短いパルスは,長い光ファイバーを通ると,その材質の屈折率分散の影響でパルス幅が広がってしまいます。その効果をあらかじめ補正し,プローブ先端でパルス幅が短くなるように,回折格子(グレーティング)を2回通します。このような前処理を光ビームに対して施した上で,近接場プローブに光を入射します。