測定例 - 近接場時間分解分光2




時・空間分解分光

GaAsのpump-probe測定

フェムト秒チタンサファイアレーザー(780 nm)を用いてGaAs(半導体基板)の時間分解蛍光測定を行いました。
この波長で光励起した場合、1光子過程で発光することが知られています。 本研究ではpump-probe法によって更に上の電子状態に励起しこの発光強度の変化を測定しています。 つまり1光子励起状態のダイナミックスを発光検出していることになります。
測定は励起(pump, probe)と検出(発光)を共にファイバープローブで行う illumination-collectionモードで行いました。
測定系を示します。 レーザー光をpump光とprobe光に分けて遅延時間を与えた後、 光ファイバーによる群遅延分散を補償してからファイバープローブに導入します。 検出は光ファイバーから出てくる試料の発光を分光し冷却CCDにより行いました。

測定したスペクトルを示します。このように波長870 nm付近にブロードな発光が観測されます。
上図で示した発光スペクトル強度の遅延時間依存性をプロットしました。 寿命52 psの超高速緩和過程が認められます。


観測された超高速緩和過程の帰属ですが、我々は以下のように考えています。