研究活動
私たちの研究室では真空蒸着法とスピンコート法という真空プロセス、溶液プロセスの双方を用いて有機太陽電池の作製を行っております。作製したデバイスはソーラーシミュレータ等を用い、太陽電池としての性能を評価します。 また、デバイス性能測定だけでなく、有機薄膜の評価(フェルミ準位、抵抗、移動度、キャリア濃度、結晶性などの測定)も行っており、これらの結果から高効率な有機太陽電池の実現を目指しています。
また、学会などへの参加も国内外ともに積極的に行っています。
主な参加学会
国際学会
Materials Research Society (MRS)
International Conference on Molecular Electronics and Bio Electronics (M&BE)
The International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals (ICSM)
Etc.
国内学会
応用物理学会学術講演会(年2回:春・秋)
使用機器
・温度勾配昇華精製装置
石英管内の一端に材料物質を仕込み、ヒーターによって温度勾配を形成させることで、昇華した物質を不純物と分離し精製を行います。この精製によりC60では7N (99.99999%)まで純度を上げることができます。
純度7N (99.99999%) C60単結晶
・真空蒸着装置
当研究室では有機太陽電池の作成を真空蒸着法により行っています。
・グローブボックス
グローブボックス内に真空蒸着装置が内蔵されており、セル作製後、大気にさらすことなく測定を行うことができます。
・ホール効果・比抵抗測定装置
ResiTest 8300, 東洋テクニカ
半導体試料に磁場をかけた状態で電流を流すと、キャリアに力が働き、ホール起電力が観察できます。これにより、キャリアタイプやキャリア濃度等の解析ができます。
・原子間力顕微鏡 (AFM)
SPI3800, SII
試料と探針の原子間にはたらく力を検出して、表面のナノスケールの凹凸を画像として得ることができます。また導電性の探針を用いることで、表面電位測定(Kelvin probe Force Microscopy)、電流同時測定(Conductive AFM)も可能です。
・走査型電子顕微鏡 (SEM)
S-4300SD, HITACHI
高電圧により発生した電子線を測定対象にあて、対象からの2次電子線を検出することで表面像を観察することができます。
・X線光電子分光 (XPS)
KRATOS ANALYTICAL
測定対象にX線を入射させ、生じる光電子のエネルギーを測定することで、サンプルの表面近傍の構成元素とその電子状態を分析することができます。
・ソーラーシュミレーター
作製したセルに疑似太陽光を照射し、光電変換特性を評価します。
・外部量子収率スペクトル測定装置
単色光を照射し、波長ごとの光電流を測定します。
・半導体パラメータアナライザ
・インピーダンス測定装置
・ケルビンプローブ
・触針式段差膜厚計
Dektak 150 , ULVAC
装置の先端に付いた針を基盤表面に沿って滑らせていくことで段差の高さ(膜厚)を測定します。
・ドラフトチャンバー
・偏光顕微鏡
・スピンコーター
有機溶媒に溶かした材料をスピンコートできます。グローブボックス中に設置してあるので、大気に触れさせずに太陽電池デバイスの作製・物性評価が行えます。またグローブボックスに入っていない大気下のスピンコーターも保有しています。
他にも分子研の共通設備として、X線回折装置(XRD)、核磁気共鳴装置(NMR)などを使用することができます。